Critical Thinking
ある日、スタッフの一人が私のところに相談に来ました。相談をうけて私も実は昔はそうだったなあと思いました。
- 我々のようなプロジェクトをmanageする仕事というのはどうしてもプロジェクトの円滑な進行をはかる上で各部署・各支社などとの調整が欠かせません。そうして異なる部署間の、異なる事業所間の間の意見の違いをうまくまとめていく必要があるわけです。
- もちろん、これは外資のプロジェクトマネージメントに限ったことでなく、日本の会社でもまた他の部署でも日常茶飯事に出くわすことだと思います。
- さて、そのスタッフ曰く、仮にAとBとの間で調整をはかるとしましょう。Aと会議を持って話を聞けばなるほどぉ、そうだなあと思い、それからBと会議をすればBの言い分ももっともだなぁと思ってしまい一向に埒があかないというのです。
- 私も今の会社に入って、このような業務に就いた始めの頃は実は同じ事を思っていました。ところが考えてみるに最近そういう風に悩んだことがありません。もちろん今でも難しいissueは沢山あります。時にはdeadlock状態になってしまいそうになることもまれではありません。しかしそこに自分に対する悩みはありません。
- しばらく考えてみて二つのことを思いました。一つは前にもうお話しした自分のビジョンがあるかということ。もう一つは常にcritical thinkerであるかということでした。
- まず自分の業務に自分のビジョンを持つことによってマクロでの自分の目標ができます。いろいろな局面で出くわすissuesも全てその目標を達成するために表面化してきた解決すべき問題点なのです。そう考えれば自分の中に進むべき方向が出てきます。そしてAもBも100%ごもっともなんて思うこともなくなると思います。
- もう一つのcritical thinkingですが、どちらかといえば日本人は欧米人に比べて苦手な部類だと思います。協調・和などの日本人の根底にあるideaと何か相反するような気がしてしまうのでしょうか、疑問を持つことなく相手の言い分に同調してしまうことがありがちです。
- 一方、欧米では相手のideaやproposalを常にtestするという考えがあります。何か抜けているところはないだろうか?落とし穴はないだろうか?そういうところを議論を重ねていくことでそのideaやproposalをより完璧な物にしていこうとします。日本人から見ると何か批判しあっているようで、私も最初は同席しても余りcomfortableでありませんでした。
- 批判してやろう、という考えではなく、より完璧なideaにしてやろうという意識で物事をcriticalに見るのはそういった意味で外資では特に要求されると思います。ただnegativeになるというのとは少し違いますのでご注意を。
- しかし外国帰りの日本人がたまに陥る落とし穴もあるのですが、次ページで